アウトプレースメントへの理解

自分のキャリアとしては人事が一番長いわけですが、実はアウトプレースメントについては業務領域として入ってこなかったためほとんど認識していませんでした。

 

ただし、自分の年齢や立場を考えて少し理解を進めようと思い、手に取った本がこちらです。

 

新版 再就職支援―ビジネスマンと企業のためのアウトプレースメント

新版 再就職支援―ビジネスマンと企業のためのアウトプレースメント

  • 作者: ジェームス・E.チャレンジャー,James E. Challenger,今道明
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 単行本
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少し発刊日が古いのが気になりましたが、一番網羅性が高いと思い、amazonをポチッとしました。

 

内容は主に

 

前半は、

  • アウトプレースメントから再就職者へのメッセージ

後半は、

  • 会社に向けてアウトプレースメントのやり方

 

が記載されていました。

 

これからのキャリアを彷徨っている自分にとっては、もちろん前半の方が金言は多かったので、少しご紹介します。

 

求職は業績の悪い会社もターゲットになる

業績の悪い会社こそ職探しのターゲットになるということだ。企業が行うリストラは、単に人員の削減で終わりではない。必ず同時に事業全体の再編成、再構築が必要になる。そこでは人事担当者が、新しい職場を作り出していかなければならない。つまり業績が上がっていないということは、才能のある人間、利益に直結する仕事をする人間、三人の仕事を一人でこなす人間をいますぐ必要としているということなのだ。

【出典】新版 再就職支援 P.37参照

 確かについつい、好調で成長している会社の求人を探してしまいがちですが、相手の立場になってみると、新しくて仕事のできる人は企業はいつでも欲しいですから。

ただし、この視点は企業側も気づいていないことも多々あるので、求人者はダイレクトにアプローチしながらも、オブラートに包んだ表現で自分を売ることが必要になりますね。

 

年齢の壁の克服 ~50歳以上でも大丈夫~

比較的若い管理者を雇ったとしても、会社は彼に3~5年のマネージャー職を賃貸したようなものだ。一方、もし52歳の人を雇ったとすると、たぶん彼は定年まで勤めるだろう。つまり会社は13年間勤めあげる人間を買ったわけだ。きっと52歳の人は、若い人の何倍もの忠誠心をもって会社に尽くしてくれるだろう。

【出典】新版 再就職支援 P.53~54参照

最近でこそ、35歳転職限界説は聞かなくなったものの、50歳の声を聞くとなかなか企業にとっては、手は出しにくくなりますが、ふと転職サイトを見てみると確かに

 

「採用歓迎年齢 40歳~55歳:この職務年齢が不足しているため」

 

なんて書いてあると勇気がでますよね。

ただ、採用担当者としては、コミュニケーションレベルと賃金バランスが問われると思います。

 

中高年の起業の可能性は高まっている

引退後の収入の確保という面からも中高年は起業家を目指すのである。今後の経済の動向を考慮すればするほど、引退後に訪れる収入の不安は高まるばかりだ。もしあなたが会社でキャリアを積んできた結果、新しく会社を自分で興し、そこで販売できるような技能やキャリアを持っているなら、40歳を過ぎたとしても起業への道は残されているのである。

 

市場の財やサービスが供給過剰状態となり、産業構造の大きな再編が行われていくなか、40歳を過ぎてからの起業はタイミングとして有利なのだろうか?実は、そのような経済の現状だからこそ答えは「イエス」なのだ。

【出典】新版 再就職支援 P.76参照

 

そういえば、最近もこんな記事がありましたね。

50歳からの起業の残存率は50%とのことです。

勇気が出ます。

特にこれからは自分たちと同じ世代が顧客のボリュームゾーンになりますので、ターゲットも多いですし、狙いもつけやすいですよね。

そういう意味では、50歳になるまでには「自分のウリ」をしっかりと理解して商品化していざという時には販売できるレベルにしておかないといけませんね。

 

人材不足の世の中ではありますが、企業としては「ムダな人材」は必要ないわけですから、万が一どころか、今は百が一ぐらいの確率でありますので、せめて35歳ぐらいからは、その日のために準備はしておきたいですね。