成人の意識の発達理論
45年の人生で初めてオンラインセミナーを受講してみました。
ツールはスカイプではなく、ZOOMというツールで開催されましたが、グループも分けることができて、さながらホントのセミナーみたいでした(笑)
そしてそこで受講した内容が
『成人の意識の発達理論』
というテーマで、ハーバード大学のロバート・キーガン教授の発達理論がベースになっているとのことです。
セミナーの冒頭でも
「意識は仕事においては不確定が強いため、意識には頼らず仕組みにて仕事をしていました。」
と発言してしまうぐらい「意識」は不勉強であったので、おススメ本として紹介されていた下記の本を読んでからセミナーには臨みました。
組織も人も変わることができる! なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学
- 作者: 加藤洋平
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2016/03/24
- メディア: 単行本
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セミナーの内容と上記書籍はほとんどリンクしていたので、事前に読んでおいて良かったですし、読まずに参加してもOK!ということでしたけど、読んでいないと薄っぺらい理解になっていました。
セミナーは
人間の意識の発達は、
曖昧さに対する
耐久性の増加である
という、ジェーン・ロビンジャーさんの言葉から、意識の発達の導入が始まり、
人の発言の表面的な『内容』ではなく
その発言はどのような行動原理に基づいているか?という『構造』に注目しよう。というキーワードが出てきました。
その後に、
意識の発達理論には5つの段階に基づいている。という『構造』が紹介されました。
◆発達段階1
【具体的思考段階】
こちらのステージは言語を獲得した子供の段階であるとして書籍もセミナーも対象とはなっていませんでした。
◆発達段階2
【利己的段階】
成人の約10%が対象になるという段階で、非常に自己中心的な認識の枠組みで考え、他者の視点を考慮することは困難であるというステージです。
◆発達段階3
【他者依存(慣習的)段階】
成人の実に70%が対象であるという段階で、他者に依存する形で意思決定が行われ、自らの意思決定基準を持たない善良なメンバーがいるステージです。
◆発達段階4
【自己主導段階】
成人の20%が対象であるという段階で、自分の価値観や意志決定基準を設けることができ、自律的に行動できる。自己成長に強い関心があったり、自分の意見を明確に主張したりする特徴を持つ人がいるステージです。
◆発達段階5
【自己変容・相互発達段階】
成人のわずか1%未満しか存在しないという段階で、自分の価値観や意見にとらわれることなく、多様な価値観・意見などを汲み取りながら的確に意思決定ができるという特徴がある。そして自分の成長より他者の成長に意識が向かうため、部下を育成するのに適したステージです。
という5つの段階でした。
そしてその段階において理解しておくべきことは
- 年齢とともに段階のステップを踏んでいく
- ステップは2⇒4など段階を飛ばすことはない
- 上位段階の解決方法が下位段階の解決方法にはならない
などの補足がありました。
そこで受講者からの質問に対して
講師からは下記の回答がありました。
Q1.
段階3から段階4にするやり方
A1.
簡単ではないし、深い信頼がないと難しい。ただ、段階4の人は段階3の価値経験があるため、それをベースにした関わりを持つことで可能性が高まる
Q2.
自分の段階がどこか?を測る術があるか
A2.
測定する術はある。オットー・ラスキーの書籍にあります。
Q3.
誰でも段階を上げないといけないか
A3.
そんなことはない。ただ、リーダーは組織を段階をあげる必要はある。
Q4.
段階が3と4と重なることはないか?
A4.
もちろんあるし、例えば段階4の人は2や3を経験してきているため、それがダイナミックシステムのように変化する。また年輪のごとく構造は進んでいくため、それが変化すれば段階以外の部分はもちろん現れる。
というやり取りがあり、非常に理解が深まりました。
またグループ内でのやり取りのなかで
「段階4の自己主張をしっかりとできるためには、段階2の『わがまま』をしっかりと実施しておくことにつながるのではないか」
という話は今回のセミナーで一番の理解でした。
どうしても段階2は表現上、ネガティブに見てしまう構造になっています。ただし、そこは通過しなければならない段階であるものの、しっかりと経験を踏まえて通過するべき段階であることを認識しました。
そう思うと、社会人はともかく、子供のころはしっかりと『わがまま』を言わせることも重要で、いたずらに抑えつけてしまうと段階3で止まってしまうリスクもあることにハッと気づいたため、もう少し子供のわがままには冷静に付き合おうと思いました(笑)
いずれにしても、発達理論の基本的な構造の内容ではありましたが、これまで知らない分野でしたし、今後携わっていく人材育成の領域には非常に有効な理論を学んだと満足しました。
またオンラインセミナーについては、幾分不安はありましたが、終わっての感想としては
- 基本的なセミナー受講はできる
- リアルの行き帰りの時間と交通費が削減できる
- 1か所では集客に開催が難しいセミナーもオンラインであれば録画も含めて開催がやりやすい
そして何よりもこのブログを書いていて気付いたのですが、
- 録画が配信されるので、振り返りがリアルに比べて圧倒的に深められる
というメリットがありました。
これから自分としてもセミナーの開催はしていきますが、慣れればオンラインセミナーもアリだなぁと思った次第でした。
あらためて誘っていただきありがとうございました。